TITLE

One

  • Type実写
  • CONCEPT
    何をもって「ひとつ」と言えるのか。
    有と無、極大と極小の関係性は、常に自分を中心に等距離にある。そんなことを考えながら映像インスタレーションを制作した。今作品は、そのアーカイブ映像である。
    8Kカムコーダーで撮影し、2400の極小の映像を連続して再生することでクレイアニメーションになる。撮影状況と同じように真俯瞰で床に投影することで、高解像度の映像がさらに実在感をもつ。ループする粘土の流動は時間の意識を変動させ、光源が周り続けることで、映像の陰影は空間の一部になる。柔らかい足元の感覚は、空間に存在する身体を意識させる。映像と空間は、そこにいる人の記憶によって融合する。
    グローバル化によって表面上の対話が私たちを繋げるほどに、自分と他者を分断する境界が形作られていくように感じる。デジタル技術がそういった境界を作りながら世界を動かしているなかで、高解像度の映像技術は目の前に虚構と現実の揺らぎをつくることができる。鮮明に、確実に、現実に近づくほど、世界の曖昧さを表現することができると思う。「メディアと消費者」という関係性が空間を介して「ひとつ」になる時、小さな世界の中に大きな自分をみつけることができるのではないだろうか。
  • 制作環境
    カメラ:8Kカムコーダ(8C-B60A)
    編集環境:アストロ編集室
    (PC:HDWS 8K)
    (ソフト:DavinchResolve)
  • 応募者
    プロフィール
    • 山田彩七光

      東京藝術大学大学院デザイン研究科 
      空間演出研究室 修士課程1年
      ・1995年東京生まれ
      ・独自の時間の捉え方で空間と映像を融合させ、虚構と現実や日常と非日常の揺らぎを表現する。
      ・第68回東京藝術大学卒業・修了作品展において、サロン・ド・プランタン賞受賞