TITLE

Visualization of the World’s Vessel Routes in the 18th Century.

  • Typeリアルタイムレンダリング
  • CONCEPT
    1750年から1850年のヨーロッパ諸国の商船(帆船)の航跡を、当時の航海日誌に基づく位置情報を使用して全地球上に可視化した。自律的な動力を持たずに、風と海流を頼りに富を求め移動する様子は、複雑で有機的な生命活動の様相を呈している。産業革命前夜、その原資となる資金をヨーロッパ諸国にもたらしたのは、三角貿易に代表される、外洋を移動する航海術の発達にあった。その航路を全地球的に可視化した本作品は、現代まで続く産業資本主義の原始的なイメージでもある。
  • 制作環境
    C++(openFrameworks)
  • Organization
  • 応募者
    プロフィール
    • 山辺真幸

      デザイナー、アーティスト。1977年東京生まれ。2001年、法政大学工学部電子情報学科卒。2003年、(IAMAS)卒。大学では半導体工学・応用物理学を専攻。卒業後IAMASに入学しデザインを学ぶ。卒業後、グラフィックデザイン事務所勤務を経て、2006年にUI/UXデザインを手がけるデザインファーム「AlliancePort」を創業。2017年に株式譲渡により全事業を譲渡し同社を離れ、現在は慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科博士課程に籍をおき、ビッグデータの可視化やメディア技術と情報社会などのテーマで企業や研究機関との共同研究・アートの制作を行っている。また、これまでに東京藝術大学、多摩美術大学、慶應義塾大学などでプログラミングやデザイン系演習の講師を担当。教育活動も行う。共著書に「データ可視化プログラミング入門」がある。情報処理学会会員、可視化情報学会会員、日本図学会会員。
    • 長島禎

  • 講評

    データビジュアライゼーションは、巨大なデータを如何にして一つの画面に落し込むのか、様々な手法を通して試行錯誤してきた歴史とも捉えられます。
    本作品は100年に渡る世界の航海の歴史という時間的にも地理的にも巨大なデータを表現するために、繊細な線とダイナミックな表現で見事に一つの画面に結実させています。
    実際の作品はリアルタイムにレンダリングされたものなので、インタラクティブに操作して体験してみたいと感じさせるものでした。